【施工例】屋根壁塗装・ボンドシリンダー工法・Uカット 

今回は屋根壁の全塗装になります。コンクリート打ち放しの住宅で外壁に多数の大きいひび割れが見られ、一部の外壁から室内に雨水が染み出ていました。

コンクリート打ちっ放しの建物は木造や鉄骨の家と異なり、防音性や躯体そのものが不燃性であることから耐火性に優れているというメリットがありますが、結露やカビが起きやすいというデメリットもあります。ほかにも、素材(コンクリート)そのものは外気熱を室内に伝える「熱伝導率の高さ」から、夏は暑い・冬は寒い家となりがちです。もちろん対策法はありますがコンクリート打ちっ放しの味を外観に生かせない事も有ります。

こちらの建物は地震や経年劣化によるひび割れもあり室内に雨水や結露した水が染み出てきたと思われます。

*雨漏れした室内の様子

この雨漏りにはボンドシリンダー工法(自動式低圧樹脂注入工法)で深く広がったひび割れを直していきます。

低圧注入とは低圧、低速でひび割れにエポキシ樹脂を注入する工法です。

ひび割れの幅によって粘土の異なるエポキシ樹脂を使用し

ひび割れを防ぐ事により、躯体内部に劣化因子が侵入するのを防ぎます。

手順としては①ひび割れ部の確認とマーキングをします。

②下地処理(ワイヤーブラシ・ディスクサンダーなどで施工部研磨します)

③座金取付(シール材を注入用座金に塗布し、ひび割れの真上に座金中心を合わせて取付)

④シール(ひび割れ部表面をシール材で確実にシールし、注入樹脂が流失しないようにします)

⑤注入

⑥注入しエポキシ樹脂が硬化(約24時間)後、シリンダーを除去します。

そのほかにも外壁のおおきなひび割れもありました。

コーキングも劣化で痩せ防水効果も弱まってしまっています。

こういったひび割れは塗装だけじゃどうにもなりません。

今回施工するコンクリート打ち放しの家にはUカットシール材充てん工法とボンドシリンダー工法でひび割れを確実に直し塗装で仕上げます。

Uカットシール材充てん工法とは、簡単に言うとコンクリートやモルタルなどのひび割れをダイアモンドカッターなどでU字型にカッティングし、可とう性エポキシ樹脂や弾性シーリング材を充てんする工法です。防水性能に優れ、ひび割れの動きにも追従します。

手順としては①ひび割れにダイヤモンドカッターでUカット

②Uカットした周りのコンクリートの粉塵や汚れをきれいに清掃

③プライマーを塗布

④仕上げにシール材充てんします。(特殊専用ボンド)

*動きが大きいと思われるひび割れについては弾性シーリング材を使用します。

施工後の様子

Uカットシール材充てん工法をした後の外壁には大きく広がっていたひび割れも跡形も消え

綺麗な仕上がりになりました。

外壁のひび割れをすべて補修したら屋根と壁の塗装です。

屋上には防水塗装を施しました。

一般的な一軒家とは違い傾斜の無い屋根のため、陸屋根には雨水が流れず溜まる事があります。

屋上防水が不十分だと溜まった雨水などで水がしみこみやすくなり、こちらも雨漏りの原因になりかねません。

また雨から建物を守る為にも防水工事が必要なのです。

before(陸屋根)

after

外壁もひび割れが多く塗膜が染み込んでいく為、下塗りを2回塗布し中塗り・上塗りと4回塗りで仕上げコンクリートの味を生かす色で仕上げました。

before(外壁)

after